脂肪肝

脂肪肝は、よくお酒を飲む人に多く、ほうっておくと肝硬変などに進行するといわれていましたが、
近年、お酒を飲まない人の脂肪肝でも、同様に進行する可能性のあることがわかりました。
肝臓の状態は、肝硬変になるまで自覚症状のないまま悪化するため、きちんと治療しましょう。

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■「脂肪肝」は何故怖いか?

自覚症状なしに、肝硬変や肝癌へと進むことがある

「肝臓」には、「食物からとった栄養素を体内で利用できる形に変える」「胆汁を作る」「老廃物などを解毒する」 などの働きがあります。病気で肝細胞の一部が障害を受けても、肝臓には十分な予備力があるため、なかなか症状が現れません。 そのため、肝臓は”沈黙の臓器”と呼ばれています。

症状の表れにくい肝臓の病気の一つに『脂肪肝』があります。肝細胞に「脂肪」が過剰にたまっている状態で、 男性の3人に1人、女性の5人に1人は脂肪肝があるという報告もあります。脂肪肝には、お酒の飲みすぎが原因のタイプと、 食べすぎなどによる肥満が原因のタイプがあります。 これまで、お酒が原因の脂肪肝に関しては、肝臓に炎症が起こる「脂肪肝炎」や、肝臓が線維化して硬くなり 正常に働かなくなる「肝硬変」、そして「肝癌」にまで進行することがわかっていました。

一方、これまで肥満が原因の脂肪肝は、肝硬変などには進行しないと考えられていました。 しかし近年、このタイプでも、お酒が原因のタイプと同様に、肝硬変などに進行する可能性のあることがわかってきました。 肥満が原因のタイプのうち、約1割が脂肪肝炎へと進み、その後約5〜10年で約1割に肝癌が発生するという報告もあります。 日本人は欧米人に比べて、軽度の肥満でも体に影響があることがわかっています。近年、肥満が増えており、 お酒が原因の脂肪肝はあまり増えていませんが、肥満が原因の脂肪肝は増え続けています。 男性は30歳代から、女性は50歳以降の閉経後に肥満になりやすいので注意しましょう。



●脂肪肝になりやすい人

お酒をよく飲む人や食事量の多い人は注意

脂肪肝は「生活習慣病」の一つで、食事などの生活習慣が原因で起こるといわれています。 特に、次の4つの項目に当てはまる人は脂肪肝になりやすいので注意が必要です。

▼お酒を毎日3合以上飲む
アルコールは肝臓で分解されるため、飲酒量が多いほど肝臓に負担がかかります。 また、アルコールが分解されると、肝臓で中性脂肪の合成が活発になり脂肪が蓄積されます。 脂肪肝になった後も多量の飲酒が続くと、肝臓への負担が重くなりすぎて、やがて脂肪肝炎、 肝硬変へと進行します。

▼脂の多い料理や甘いものが好き
食事量が多いと、脂肪肝になりやすくなります。特に、脂っこい食事が多いと、肝臓に脂肪がたまりやすくなります。 過剰な糖分も、肝臓に取り込まれて脂肪に変わり、肝臓に蓄えられます。 また、不規則な食生活も脂肪肝を招きやすくなります。

▼肥満があり、体をあまり動かさない
運動不足が続くと、使われなかったエネルギーが脂肪となり体内に蓄えられます。 肥満には、お腹に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」と、皮膚の下に脂肪がたまる「皮下脂肪型肥満」とがあります。 このうち、内臓脂肪型肥満の人の方が脂肪肝になりやすいといわれています。

▼「糖尿病」や「脂質異常症」がある
糖尿病や脂質異常症(高脂血症)の多くは、食べ過ぎや肥満などが原因で起こります。 したがって、これらの病気がある人は、脂肪肝を合併していることが多くなります。 特に、糖尿病のある人は、脂肪肝の進行が早いので注意が必要です。




●脂肪肝を調べる検査

一般的なのは血液検査。早期発見には超音波検査が有効

脂肪肝はほとんど自覚症状がないため、気づきにくいのが問題です。そこで、強い肥満のある人や脂肪肝になりやすい人の 項目に当てはまる人は、一度消化器科などの専門医を受診しましょう。 受診すると、まず肥満度や腹囲がチェックされ、「問診」で医師から飲酒の習慣などについて聞かれます。 糖尿病や高血圧などの状態も確かめます。脂肪肝が疑われたら、次のような検査を行います。


◆脂肪肝を調べる検査

▼血液検査
肝細胞がどれくらい破壊されているかを示す「GOT(AST)」「GPT(ALT)」「γ-GTP」 の値などを調べます。ただし、脂肪肝の初期は数値が出にくく、なかには脂肪肝が進行していても 数値が高くない人もいます。
▼超音波検査
超音波を使って、肝臓の状態を見ます。最も広く行われている方法で、血液検査では発見できない初期の脂肪肝も 発見できます。ただし、脂肪肝と脂肪肝炎の区別がつかないことがあります。

このほか、肝臓の状態を見る「CT(コンピュータ断層撮影)」や「肝生検」が行われることもあります。 肝生検は、肝臓に針を刺し、肝臓の組織を採取して顕微鏡で観察する検査で、脂肪肝炎の有無などを調べることができます。 ただし、体への負担が大きく、1〜2日の入院が必要です。



●脂肪肝の治療

食事療法と運動療法が効果的。続けることで改善する

脂肪肝のある人が同じ生活を続けていると、気づかないうちに肝臓の状態が悪化していきます。 次の点に注意して、生活習慣を改善しましょう。

▼節酒
お酒が原因の人は節酒が原則です。肥満が原因の人も、お酒は適量にしましょう。
▼食事療法
食べ過ぎに注意し、脂質や糖分の多い食べ物を控えます。たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどの栄養を バランスよく摂りましょう。
▼運動療法
「ウォーキング」 などの有酸素運動を1日20〜30分行います。 時間が取れない場合も”通勤時に1駅手前で下車して歩く””エレベーターをできるだけ使わない”など、 日常生活の中に運動を取り入れるとよいでしょう。

こうした生活習慣は、脂肪肝の予防にも役立ちます。また、お酒を飲む場合は適量を守りましょう。 日本酒なら1日1合が適量で、1週間に2日は休肝日を設けます。脂肪肝の改善には、これらを1〜3ヶ月以上 続けることが大切です。





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