超睡眠法第3章『逆効果の「脳の休ませ方」』
⑤コーヒーと朝の光の組み合わせは◎

コーヒーで目は覚めるのか?


■コーヒーと朝の光の組み合わせは◎

◆習慣化されている人は続けてOK

「缶コーヒーを飲んで目を覚ます」「出勤したらコーヒーを飲んで仕事のリズムを整える」・・・・・。 朝、そんな習慣が身についていませんか?しかし、中にはコーヒーがそれほど好きではない人もいるのではないでしょうか。 「始業前にコーヒーを飲むと落ち着く」という既成概念にとらわれ、知らぬうちに朝、コーヒーを飲むという習慣がついている人が 多いもの事実です。では、コーヒーは脳に、どのように作用しているのでしょうか? 人間の神経には伝達した先の神経を興奮させる「興奮性」のタイプと、鎮静させる「抑制性」のタイプの 2種類があります。興奮性タイプの神経が抑制されれば、脳は眠りにつきます。 ヒトは目覚めている限り、脳内に「プロスタグランディンD2」という睡眠物質が溜まっています。 このプロスタグランディンD2がアデノシンに変換され、さらに伝達先の神経を鎮める働きを持つ 「GABA」 という抑制性の物質を増やしていきます。このGABAが脳を覚醒する働きを持つ「ヒスタミン」を鎮め、 脳の眠りを促しているわけです。


◆朝、コーヒーを飲むなら、ホットを日が当たる場所で

コーヒーに含まれているカフェインは、アデノシンがGABAを増やす流れをブロックします。 そのため「コーヒーを飲んで眠気を覚ます」というのは、「脳は眠らないけど、脳内には睡眠物質が溜まったまま」という状態なのです。 ですから、朝、コーヒーを飲めば眠気がすべて吹き飛ぶというわけではありません。 しかし、逆効果というわけでもないので、既に朝、コーヒーを飲む習慣がついている方は、それにプラスアルファ、 ぜひ朝の光を浴びることをおススメします。そうすると自然と目も覚めてきてさらにホットコーヒーなら体温が上がる効果も 期待できます。コーヒーなどに頼らず、自然に起きられるようになるのが理想の朝の目覚め方ですが、 そのためには起床から4時間以内にメラトニンを減らす努力が必要になります。 意識的に外を見ればメラトニンを減らすことができますので、コーヒーのカフェインの作用を、より促進させることができます。

【カフェインはGABA増加を防ぐ】

コーヒーに含まれるカフェインは、アデノシンがGABAを増やすのを阻みます。 そのためコーヒーは、睡眠物質を排除するのではなく、睡眠物質を溜め込んだまま脳が眠らないようにするだけなのです。