高尿酸血症(痛風)の治療Ⅰ
「生活療法」

高尿酸血症(痛風)』は、 偏った食事や運動不足が、最大の原因で、治療の第一は「生活習慣の改善」です。


■高尿酸血症(痛風)の治療Ⅰ 「生活療法」

『痛風や高尿酸血症』と診断されたら、「食事や運動といった生活習慣の改善」を始める必要があります。 偏った食事や運動不足が、最大の原因だからです。そして、半年から1年間、生活習慣の改善を続けて、 尿酸値がどの程度下がるかをチェックします。


●食事の総エネルギー量を減らす

「体重」と「尿酸値」には深い相関関係があります。 複数の研究によって、肥満のある人が体重を減らすと、尿酸の排泄がよくなり、尿酸値が下がることがわかっています。 治療の第一は「ダイエット」。まず、食事の総エネルギー量を抑えることが不可欠です。
また、尿酸値が高い人は食品に含まれる < href="kounyousanketsushou11.html">『プリン体』にも注意が必要です。 「プリン体」は尿酸に分解される前段階の物質で、ほとんどの食品に含まれています。 各食品のプリン体の含有量と1回に食べる量、一定期間に食べる頻度を考えて、過剰摂取に気をつけましょう。

【関連項目】
『高尿酸血症・痛風の食事療法』

●アルコールの摂取量を減らす

「尿酸値」の高い人が気を付けなければならないのは「アルコールの摂り過ぎ」です。 痛風にビールがよくないことはよく知られていますが、これは原料の麦芽に「プリン体」」が多く含まれているからです。 しかし、ビールに限らず、アルコール類が分解される過程で、必ず尿酸ができます。 プリン体の含有量だけで「ビールはよくないが他の酒ならばよい」というのは間違いで、 酒の種類に関わらず「アルコールを摂り過ぎ」は禁物です。


●水分を十分に摂る

体内の尿酸は、腎臓を経て尿中に排泄されます。だから、水分をたくさん摂って尿量を増やせば、 それだけ多くの尿酸が排泄されることになります。一方、尿酸は汗では体内から出て行かないので、 大量に汗をかくと脱水状態になり、尿量が減って体内に尿酸が溜まりやすくなります。 日常的に、水やお茶などを飲んで意識的に水分を補給することを心がける必要があります。


●のんびり、ゆっくり、有酸素運動

日頃からよく体を動かして、運動不足を解消しておくことも大事です。 ただし、運動は”のんびり””ゆっくり”がポイントです。 ウォーキングや軽いジョギング、ゆったりしたペースでの水泳やサイクリングなど、 「有酸素運動」が適しています。 筋力トレーニングなどの無酸素運動やがむしゃらに運動するのは避けるべきです。 私たちが運動するときには、プリン体の一種である「ATP(アデノシン3リン酸)という物質によって、 エネルギーが供給されます。有酸素運動の場合は、このATPがの代謝がうまくいくため、 尿酸に分解される量は少ないのですが、無酸素運動の場合は、 ATPが代謝される過程で尿酸が大量に作られるため、尿酸値が上がってしまいます。


●ゆったり静かにストレス解消

「ストレス」は尿酸値を上げるので、なるべくストレスを溜めないように心掛ける必要があります。 しかし、痛風になる人は「行動的」で、暴飲暴食をしたり、激しいスポーツに興じる人も少なくないようです。 これでは、「精神的ストレス」を「肉体的ストレス」に置き換えているだけで、痛風の治療にとっては逆効果です。 読書や音楽鑑賞など、体を酷使しない方法で、上手にストレスを解消しましょう。


●その他

「痛風」の人は、「高血圧」や「高脂血症」を合併している人が多いのですが、その背景には 「肥満」があります。肥満を背景として生活習慣病を複数併せ持った状態を 「メタボリックシンドローム」といい、動脈硬化が飛躍的に進展してしまう、 険な状態です。体重が減れば、尿酸値だけではなく、血圧も、血中脂質も、 血糖値も下がってきます。まずは、「肥満解消(減量)」を心掛けることです。


■関連項目