病気が原因の頭痛(二次性頭痛)

頭痛のうち、今までにない痛みが突然起こったり、脳や血管などに重大な病気が起きている場合もあります。


■頭痛を起こす病気

二次性頭痛(病気が原因の頭痛)を引き起こす重大な病気には、「くも膜下出血」「脳腫瘍」「髄膜炎」「慢性硬膜下血腫」などがあります。

▼くも膜下出血
主に、脳の動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破裂することで起こります。 それまで経験したことのないような激しい頭痛が、急激に起こるのが特徴です。 頭痛に「意識混濁」「物が二重に見える」などの症状が伴うこともありますが、 多くの場合、頭痛だけが起こります。

▼脳腫瘍
脳腫瘍による頭痛は、多くの場合、数週間から数ヶ月間かけて、徐々に痛みが強くなります。 頭痛は、朝目覚めたときに強まる傾向があります。他に、「痙攣」「手足の麻痺などの運動障害」 「物が二重に見える」などの症状が起こることがあります。

▼髄膜炎
ウィルスや細菌に感染し、脳の髄膜に炎症が起こる病気です。 38℃以上の高熱が出て、ガンガンと激しい頭痛が起こったり、発疹が出ることもあります。 また、うなじが硬くなり(項部硬直)、首を曲げにくくなります。

▼慢性硬膜下血腫
頭を打ったり、ぶつけたりしたときに、脳を包む硬膜の内側の静脈が切れて出血が起こり、 血腫ができることがあります。徐々に血腫が大きくなり、数週間~数ヶ月間経つと、 頭痛や「しびれ」「脚を引きずる」「箸をうまく使えない」「物忘れ」「話のつじつまが合わない」などの症状が起こります。

これらの二次性頭痛は、50歳以上の中高年に起こることが多いといえます。 それまで、頭痛の経験が特になく、50歳以降に初めて頭痛が起こったら、これらの病気の可能性も考え、 疑われる場合には早めに受診してください。