アディポネクチンを増やす食品
『ビール酵母・米ぬか・ウコン』

ビール酵母・米ぬか・ウコン』を同時に摂れば、 アディポネクチンを劇的に増やす効果があることがわかりました。 ビール酵母の細胞壁に含まれる植物ステロールは、肥大化した内臓脂肪細胞を元の大きさに戻す働きがあり、 米ぬかに含まれるγ-オリザノールという成分は、内臓脂肪が肥大化するのを防ぎ、ウコンには、強力な抗酸化物質であるアントシアニンが豊富に含まれています。


■アディポネクチン

さまざまな病気を予防する

2004年の厚生労働省の推計によると、日本人の40~74歳の年齢層におけるメタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群)の該当者数は約940万人。その予備軍(内臓脂肪症候群と診断される値よりは低い状態) の数は約1020万人と推定されています。 このメタボリックシンドロームを防ぐとして、世界の研究者から注目されている物質があります。 それが、内臓脂肪細胞から分泌されるホルモン「アディポネクチン」です。 アディポネクチンは、血液や血管を若く保ってメタボリックシンドロームを退け、脳卒中・心臓病や癌まで予防することが 研究でわかっています。まさに、これからの時代の健康の切り札といえるでしょう。 ただし、アディポネクチンそのものは、口からとってもいで溶解されてしまい、血中には移行しません。 そのため、私たちの体内で、アディポネクチンの分泌を増やすことが重要になってきます。 アディポネクチンの増やし方については、運動による内臓脂肪減らしやアディポネクチンの分泌を促す食品の摂取など、 いくつかの方法がわかっています。


●アディポネクチンを増やす食品

最近の研究で、アディポネクチンを増やす効果の大きい食品が見つかりました。 米ぬか、羅漢果、シメジ、ライ麦、ビール酵母、月桃、シラカバ、キク、ウコンといった食品です。 そして、さらに研究を重ねた結果、このうち「ビール酵母、ウコン、米ぬか」の3つを併せて摂れば、 アディポネクチンを増やす効果が最大になることがわかったのです。 ビール酵母の細胞壁には「植物ステロール」(植物の細胞を構成する成分の一つで、コレステロールに似た 構造を持つ)が含まれています。その成分と、米ぬかに含まれる「γ-オリザノール」という成分が、 肥大化した内臓脂肪細胞に働きかけ、元の大きさに戻るように促します。 そして正常な大きさに戻った内臓脂肪細胞からは、アディポネクチンが大量に分泌されるようになると考えられます。 ウコンには、強力な抗酸化物質である「アントシアニン」が豊富に含まれています。 アントシアニンは、悪玉コレステロールの酸化を防いで血管を修復したり、肝臓の働きを助けたりします。 こういった働きもアディポネクチンを増やすのに役立つのです。


●3種の食品の効果実験

この3種の食品を使った試験では、アディポネクチンを増やす効果が確認されました。 糖尿病を発症させたマウスに、通常のエサAと、アディポネクチンを強化する食品3種を加えたエサBを摂取させました。 するとエサBを与えたマウスは、エサAを与えたマウスに比べて血液中のアディポネクチン濃度が約2倍も高くなったのです。 また、血糖値もエサAを与えたマウスと比較して約22%低くなったことも報告されました。 東京大学の山本義春教授は、食事と共に3種の食品入りサプリメントを、男性20人(年齢35~69歳)に摂ってもらった 研究結果を報告しています。それによれば、3種の食品入りサプリメントを摂取すると、プラセボ(偽薬) を摂った場合に比べて、食後の高い血糖値を下げる働きが大きかったことがわかりました。 この結果については、3種の食品に含まれる植物ステロールの働きで脂肪細胞が小型化し、 アディポネクチンの分泌が増えたことで血糖値が下がったと推測されています。