糖質制限⑪『お酒は2合まで』

お酒は気の合う人と楽しく飲めば免疫力を高める。飲める人は毎日飲んでもよいが、適量は2合まで。


■お酒は2合まで

お酒を飲むと赤くなる人は毎日飲んではいけない。

精神的ストレスは免疫力を低下させます。特に、癌細胞を見つけて攻撃する免疫細胞(NK細胞)の働きは著しく落ちます。 ですから、ストレスは溜めこまず、発散させた方がよいのです。 ストレスを発散させる方法の1つに、お酒があります。ただ、お酒は飲み方次第で、薬にもなれば毒にもなります。 お酒は飲める人と飲めない人がいます。その違いは、親からアルコール分解酵素を譲り受けたかどうかで決まります。 両親とも分解酵素を持っていなかった人は、お酒を1滴も飲めません。いわゆる下戸の人です。 こうした人は、お酒でストレスを取ることができません。 片親だけが分解酵素を持っている人は、ビールを飲んだだけで顔が真っ赤になります。 こうした人は、自分が飲みたいときに限って飲むようにしてください。 仕事上の付き合いなどで、無理して飲んでいると、免疫力が低下して、癌になりやすくなります。 両親ともお酒が飲める人は、酵素を2つ受け取っているので、飲まないよりも飲んだ方が、免疫力が上ります。 そうした人には休肝日は必要ありません。お酒を休むことが、その人にとってストレスになるからです。


●赤ワインには動脈硬化や認知症を防ぐ成分が豊富

ただし、お酒の飲み方には2つの条件があります。1つは気の合う人と楽しく飲むことです。 お酒を飲める人でも、嫌いな人と飲むと免疫力が低下します。 もう1つは飲む量です。昔から「酒と女は2合(号)まで」と言いますが、お酒は2合までが免疫力を上げる酒量です。 お酒の中には健康に良い成分を含んでいるものがあります。よく知られているのは赤ワインでしょう。 赤ワインには、フィトケミカルの一種であるポリフェノールが豊富に含まれています。 国立健康・栄養研究所とサントリーは、赤ワインと動脈硬化の関係について共同研究を行っています。 動脈硬化は血液中の悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化され、血管を傷つけることによって起こります。 この研究では赤ワインのポリフェノールが、悪玉コレステロールの酸化を防ぐことが解明されました。

また、アルツハイマー病は、脳のたんぱく質が変性することが原因ですが、赤ワインのポリフェノールは、 この変性したたんぱく質を分解するという研究もあります。 このように、赤ワインは脳卒中や心筋梗塞、アルツハイマー病の予防効果が期待できます。 ただし赤ワインでも、量としては1日2杯までが限度です。飲みすぎないように注意しましょう。