PET(ペット)検診

PET検査』(ペット)は、癌細胞が正常細胞よりも多くブドウ糖を必要とするという、癌細胞の特性を利用した癌検査法です。 癌の早期発見に威力を発揮しており、画像診断中心の検査・健康診断(検診)になります。


■「PET検査」とは?

癌細胞の特性を利用した検査法

PET(ペット)は、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(Positron Emission Tomography)の略で、 日本語に約すと「陽電子放射断層撮影」という意味です。 PET検査とは、癌細胞が正常細胞より3~8倍も多くブドウ糖を取り込むという、 癌細胞の特性を利用した画期的な癌検査法です。 PET検査では、ブドウ糖に似た薬剤に目印をつけて(FDG)体内に注射し、しばらくしてから全身をPETで撮影します。 するとFDGが多く集まるところがわかり、癌を発見する手がかりとなります。 PETで使用する薬剤は、癌細胞に多く集まる性質があり、悪性度が高いほど、たくさんの薬剤が集まります。

そして、PETで薬剤の集まり具合を画像化し、癌がどこにあるのか、大きさはどのくらいなのかを調べます。 また、炎症の起こっている細胞も、癌細胞と同じように薬剤をたくさん取り込む性質があるため、 炎症系の病気を発見することもできます。 従来のレントゲン(X線)やCT、MRIなどの検査は形から癌を見つけますが、 PETはこのように細胞の性質を調べて癌を探しだします。

PET検査の優れた点は、薬剤の集まり具合を診ることで、腫瘍の悪性・良性の診断が可能なところです。 また従来の検査では発見が難しかったリンパ節に転移した癌も見つけることができます。 転移・再発がないかを確認したり、癌がどれくらい進行しているかを診断するのにも役立ちます。

PET検査は一度で全身のスクリーニングを行えるため、予期せぬところにできた癌を発見することもできます。 また検査前に薬剤を注射する以外は、痛みや不快感がほとんどありません。 しかも服(検査着)を着たまま検査することができるので、女性の方でも安心して受診できます。

PET検査はさまざまな癌の発見に有効ですが、決して万能ではありません。 元来、ブドウ糖の代謝が盛んな「脳」や「心臓」、尿の排泄経路である「腎臓」「ぼうこう」「尿管」などは、 薬剤(FDG)が集積してしまい、診断が困難な場合があります。 そこで、癌をより確実に発見するために、CT、MR、超音波検査、生化学検査を組み合わせた検査も行われています。