更年期鬱病(うつ病)

更年期鬱病(うつ病)』は、更年期障害に子供の自立、介護などのストレスが加わると発症しやすくなります。


■「更年期鬱病(うつ病)」とは?

閉経後のホルモンバランスの崩れやストレスから発症する

女性は40歳を過ぎたころから、卵巣の機能が低下し始めます。 すると、女性ホルモンの分泌が減少し、やがて閉経を迎えます。 この閉経の時期を中心とした約10年間を「更年期」といいます。 女性が更年期を迎えると、女性ホルモンの急激な減少が全身の臓器や代謝系に影響を及ぼし、 「めまい、肩こり、関節痛、顔のほてり、のぼせ、冷え、動悸、頭痛、倦怠感」などの身体症状や、 「憂鬱や不安、不眠」などの精神症状などさまざまな症状が現れることが少なくありません。 これがいわゆる「更年期障害」です。

更年期は、心身ともに大きなストレスがかかる年代です。子供が自立して孤独感を感じる 「空の巣症候群」になったり、夫婦関係や親の介護などの生活環境の変化がストレスになることもあります。 更年期障害にこのようなストレスが加わると、「強い憂鬱感」を抱くようになったり、「何事にも興味がわかない」 「何事も喜べない」などの症状が起こってきて、鬱病(うつ病)へ進展することも少なくありません。 つまり、更年期障害による症状に、強い憂鬱感や、興味・喜びの消失が伴うときには鬱病(うつ病)を発症するケースがあるのです。

更年期の気分の落ち込みは、「更年期だから仕方がない」と考えがちですが、 憂鬱な気分が2週間以上続くような場合は、単なる更年期障害と考えず、鬱病(うつ病)の可能性も疑って 精神科や心療内科を早めに受診しましょう。 更年期の鬱病(うつ病)に対しては、抗うつ薬による治療が行われます。また、女性ホルモンを補う 「ホルモン補充療法」が効果をあげることもあります。


■更年期鬱病(うつ病)への対処法

更年期鬱病(うつ病)でも、通常の鬱病(うつ病)と同様、休養と抗欝薬の服用が治療の基本になります。 家族など周囲の人のサポートも不可欠で、家族に家事や親の介護を分担してもらったり、 知人に話し相手になってもらったりして、ストレスを減らしていくことが大切です。
更年期は、老年期への入り口の時期です。鬱病(うつ病)の症状が治まってきたら、これからの生き方を考え、 新しい生きがいを探すことも必要です。ガーデニングを始めたり、ペットを飼い始めたりするなど、 新しいことに関心を持つことで、更年期鬱病(うつ病)が回復する例も多く見られます。