COPDの検査と診断

40歳以上の喫煙者で、咳や痰が続く場合は検査が必要
スパイロメータで呼吸機能を調べる

COPDが疑われるのは、次のチェック項目のうち3項目以上が当てはまる場合です。

痰を伴わない空咳の場合は、COPD以外の病気が疑われます。 しかし、痰の色が白っぽく、朝起きたときしか痰が出ないような場合でも、咳と痰が毎日出るのは、 初期のCOPDである可能性があります。 さらに進行すると、同じ世代の人と並んで歩いたときや、階段を一緒に上り下りした時に息切れがして、 1人だけ遅れるようなことが起こります。

◆受診の目安

上記のチェック項目で3項目以上が当てはまる場合や、それに加えて、「長年空気の汚れたところに住んでいた」 「粉塵の舞う場所でマスクをしないで働いていたことがある」などの条件が重なる人は、早めに呼吸器科や呼吸器に 力を入れている内科などを受診することが勧められます。

■COPDの検査

COPDは、次のような検査によって診断されます。

▼呼吸機能検査(肺機能検査)
COPDが疑われる場合、呼吸が十分に行えているかどうかを調べる「呼吸機能検査」を行います。 「スパイロメータ」という器具を使って、息をすべて吐き切った量(努力性肺活量)に占める、 最初の1秒間に吐いた量(1秒量)の割合(1秒率)を調べます。 健康な人は、吸った空気の大半を最初の1秒間で吐き出しますが、COPDの患者さんは、息を吐くのに時間がかかり、 一気に吐き出せません。1秒率が70%未満の場合、COPDと判断されます。 1秒量が少ないほど、COPDは進行していると考えられます。 スパイロメーターの数値、症状、心臓に与える影響などによって、「軽症」「中等症」「重症」「最重症」に分けられます。

▼酸素飽和度検査
安静時に動脈中に酸素がどの程度含まれているかを、「パルスオキシメーター」という機器で測定します。 酸素飽和度が90%以下の場合は、ガス交換がうまく行われていないことが推測されます。

▼6分間平地歩行テスト
安静時ではなく、日常の動作の中で動脈血中の酸素が足りているかどうか、パルスオキシメーターをつけて 6分間に歩ける距離をチェックします。

COPDの患者さんは約700万人と推定されているにもかかわらず、大半の人がCOPDを起こしていることに気付いておらず、 医療機関を受診している人は約20万人といわれています。COPDは、初期には、自覚症状がほとんどなく、 咳や痰も「年齢のせい」「タバコを吸っているせい」だと思い込み、病気に気付かない人が多いからだと思われます。 COPDはじわじわと進行するため、気付いたときには症状が重くなっています。喫煙習慣がある人は、一日でも早く禁煙し、 呼吸器機能検査を受けて、COPDを早く発見することが大切です。

◆COPDの重症度

スパイロメーターの数値、症状、心臓に与える影響などによって、「軽症」「中等症」「重症」「最重症」に分けられます。