急性低音障害型感音難聴に『耳栓睡眠』

心のストレスを放置すると耳が詰まる『急性低音障害型感音難聴』を招きやすく、耳栓睡眠で心身を休めよ。


■急性低音障害型感音難聴

低音が聞こえにくくなり耳閉感を伴う

私たちの生活には、仕事や人間関係などによる精神的なストレスがついて回ります。 こうしたストレスが蓄積すると、さまざまな不快症状や病気につながっていくことは、皆さんもよくご存知だと思います。 もちろんそれは耳も例外ではありません。例えば、最近増えている『急性低音障害型感音難聴』 と呼ばれる耳の病気には、ストレスが大きく関係していると言われています。 急性低音障害型感音難聴は、病名からわかるとおり、特に低音が聞こえにくくなる病気です。 また、聞こえの悪さと共に耳閉感や自分の声が響く感じを訴える人が多く見られます。 20~30代の若い人に起こりやすい病気ですが、近年では中高年で発症する人も見られるようになっています。 原因には強いストレスのほか、睡眠不足や慢性疲労などがあります。 この病気が厄介なのは、放置するとメニエール病に進行する危険がある点です。 メニエール病は、激しい回転性のめまい・難聴・耳鳴り・耳閉感などを伴う難治の病気です。


●耳栓睡眠を行えば入眠や熟睡を促せる

急性低音障害型感音難聴が発覚したらできるだけ早く、耳鼻科などでの専門的な治療を受ける必要があります。 そして、こうした治療と併せてぜひ行ってほしいのが、耳栓をした状態で眠る『耳栓睡眠』です。 私たちは睡眠で一日の心身の疲れを癒しています。しかし、ストレスが蓄積している人ではそれが原因で不眠に陥り、 寝入りが悪かったり眠ってもふとした音で起きてしまったりすることが少なくありません。 寝入りが悪ければ、眠れないでいる間、耳が働き続けることになります。 また、眠りが浅くてすぐに起きてしまうようでは、急性低音障害型感音難聴の原因となるストレスや睡眠不足を解消できません。 その結果、症状が悪化していくことは十分に考えられます。

耳栓睡眠を行えば入眠までの間の音を遮って耳を休ませられるほか、入眠しやすくなり、就寝中の音を遮って熟睡を促す効果も 得られます。こうした効果は、この病気を改善に導く大きな手助けとなるでしょう。 耳栓睡眠は、毎日行う必要はなく、週に1、2回実践するだけで十分です。耳栓は市販の気に入ったものを用いれば結構です。 ただ、使用中に耳が痛くなるものは避けましょう。なお、症状に耳鳴りがある人では、耳鳴りの症状を悪化させてしまう危険があるので、 耳栓睡眠は行わないでください。
耳栓睡眠では、就寝中の火事などの事故に気付きにくくなります。就寝前は火の元に十分注意し、万が一、事故が起こった際は 知らせてもらうよう、事前に身近な人に伝えておく必要があります。