前頭側頭葉変性症の診断

前頭側頭葉変性症のほとんどは、現れている症状によって診断することが可能で、家族が話す内容や本人のしぐさが診断の決め手となります。


■家族が話す内容や本人のしぐさが診断の決め手

前頭側頭葉変性症のほとんどは、現れている症状によって診断することが可能です。 そのため、一緒に生活している家族から本人の話を聞くことや、 本人のしぐさをよく観察することが、診断のためには最も重要です。 本人には、自分が病的な状態であるという自覚(病識)がないことも多いので、特に影響するのが家族の話です。 そのため、家族は何か気づいたことがあれば、細かなことでも医師にきちんと伝えましょう。 専門的な知識と経験を持つ医師であれば、家族の話を聞くだけで、ほぼ確実に診断が可能です。

ほかの認知症の原因となる病気との鑑別のために、「MRI」「SPECT」などの「画像検査」が行われることもあります。 ただし、これらの検査はあくまでも、ほかの病気がないことや、医師が把握した症状に対応する脳の萎縮や血流の低下を確認するための、補助的なものです。 それは、どんな最新鋭の検査機器でも同様です。

認知症を起こす原因となる他の神経細胞が変性する病気と同様に、 前頭側頭葉変性症を根本的に治す方法は、現在の段階ではありません。 しかし、記憶や日常生活の動作は比較的保たれる病気なので、適切な治療を受けたり、適切な介護を行うことで、 長期間自宅での暮らしを続けることができる場合もあります。 そのためにも、早期に受診し、早期から治療や介護を開始することが大切なのです。