ストレスと高血圧

ストレス高血圧をはじめとするあらゆる病気の発症に関与しているといわれています。 人間が精神的なストレスにさらされると、自律神経やホルモンが失調して 免疫力が低下すると、 高血圧をはじめとするさまざまな生活習慣病の種が勢力を拡大することになります。


■ストレスと高血圧

高血圧の根本原因はストレス!

日本高血圧学会では「最大血圧130mmHg未満かつ最小血圧80mmHg未満」を正常血圧と定めています。 そして、「最大血圧130mmHg以上または最小血圧80mmHg以上」で高血圧症と診断され、積極的な治療が求められます。 この基準値に基づくと、高血圧症患者は3000~4000万人にも上ってしまいますが、実際のところ、 それほど多くの人が高血圧で苦しんでいるとは思えません。血圧は基準値を超えているのに、健康な人はたくさんいます。 というのも、血圧の高い低いは各自の生き方によって決まるのであり、適正値には個人差があると考えられるからです。

私たちの体調は、常に良い方向に向くように調整されています。そのシステムの中心に存在するのが「自律神経」です。 この自律神経が、血圧も自動的にコントロールしているのです。 自律神経には、相反する作用を持った「交感神経」「副交感神経」があり、 両者が互いにバランスをとりながら、その時々にふさわしい体調を作り上げます。 血圧が上がるのは、交感神経が優位の時です。交感神経は体を活動的にする神経です。 そのため、気迫にあふれた活発な生き方をしている人は、血圧も高めで安定するのです。 一方、のんびりと穏やかな生き方をしている人は、自律神経のバランスはリラックス神経となる副交感神経優位となり、血圧も低めで安定しています。 高血圧の素因に挙げられる「遺伝」も、要はこの「気迫型」気質の遺伝です。 穏やかな性格で血圧も低かった人が、ある時点から突然行動的になって、血圧が上がるというパターンもあります。 それも、休眠状態だった遺伝子が、途中で発現しての結果です。

また、現代医学では「高血圧動脈硬化を促進し、 心筋梗塞脳卒中のリスクを高める要因」と警鐘を鳴らしています。 しかし、”本当の原因は高血圧ではなく、ストレスである”、と考える人もいます。 ストレスは交感神経を刺激し、血圧を上げます。これは本来、ストレスに対抗して体を守る防御反応です。 ストレスは体を消耗させるため、交感神経を緊張させて血圧を上げ、全身の細胞に勢いよく血液を押し流すことで、エネルギーを補おうとするわけです。 ところが、ストレス状態が長期に続いて交感神経の緊張度が増すと、副交感神経の働きが抑制され、自律神経のバランスが乱れるのです。 自律神経には日中は交感神経、夜間は副交感神経優位の日内リズムがあり、通常は血圧も昼は高め、夜は低めで変動します。 しかし、ストレスの継続で交感神経の緊張状態が続くと、血圧も1日中高い状態で固定するようになり、体調そのものも悪化します。 この病態が高血圧という病気であり、あらゆる慢性病の始まりです。 交感神経の緊張は 不眠や食欲不振、 便秘肩こり頭痛耳鳴りなどの症状をもたらすため、危険は自分で十分察知できるでしょう。