ストレスと低体温

人間の平均体温は36.8分と言われていますが、低体温とはは35度台の人のことを指します。 低体温の隠れた原因はストレスによる自律神経の乱れで、 頭痛耳鳴りまで招くことがあります。 ストレスが低体温の原因になるのは、ストレスがあると、交感神経を緊張させてしまうからです。 自分で気が付かない状態でストレス下の環境にあり、リラックスができない状態が続くと自然と血流が悪くなり、 低体温化してきてしまうと言えます。


■低体温が招く病気

癌・心臓病・糖尿病・アトピーまで招く

現代人は、人間関係の悩み、多忙な仕事、健康の不安、生活環境の変化など、絶えずストレスにさらされています。 こうした過度のストレスにさらされ続けていると、私たちの体にはさまざまな悪影響が生じます。 その引き金となるのが、自律神経の乱れです。自律神経には、仕事や運動などを行うために心身を緊張させる交感神経と、 休息のために心身をリラックスさせる副交感神経の2種類があります。 2つの自律神経は、必要に応じてバランスを取りながら、体の働きを調節しています。 ところが、過度のストレスにさらされて交感神経が優位な状態が長く続くと、血管が収縮して全身の血流が滞り、 体が深部まで冷えて「低体温」を招いてしまいます。 すると、脳や内臓の働きが低下し、 免疫力を司る白血球の働きも衰えて、さまざまな病気を招くのです。 代表的な症状としては、まず、 頭痛肩こり耳鳴り便秘・下痢・ 手足のしびれが出やすくなります。 また、 鬱病慢性疲労症候群といった病気を招いたり、 心臓病糖尿病アトピー性皮膚炎などの難治の病気が発生したりするのです。


●自覚のない体の冷えに陥っている人が多い

前記のような免疫力の衰えを最もよく示すのが「体の冷え」です。 体の冷えや寒さを感じれば、普通は誰でも体を温めようとします。 ところが、最近は体が冷えた状態なのに、そのことを自覚していない人が大勢いるのです。 例えば、「自分は暑がりで、よく汗をかく」という人も、調べてみると、体の深部(腹部)や下半身(特に太腿)が冷えている場合が少なくありません。 特に、冷えの程度が強い人、つまり健康状態に問題のある人ほど、自分の冷えに気付いていないことが多いようです。 癌患者の中には、体の芯まで冷えきっているのに、寒さを全く感じないという人がたくさんいます。 どうしてこのようなことが起こるのかというと、体の冷えのために、周囲の気温がそれほど高くなくても、暑く感じてしまうからです。 また、汗っかきになるのは、内臓の働きが低下しているために体内の水分をスムーズに処理できず、汗として排出されてしまうことが原因です。


●体を温めれば、多くの病気が改善

では、自分の体が冷えているかどうかを見分けるには、どうすればいいのでしょうか。 そのために、朝の起きがけに、脇の下に手をはさんだ後、その手でお腹や太腿、二の腕、お尻を直に触ってみてください。 もし、いずれか1ヶ所でも脇の下よりも体温の低いところがあったら、体の深部が冷えている証拠です。 もう1つの方法は、湯たんぽを太腿やお腹に当てることです。 それでポカポカして気持ちがいいと感じる人は、体の深部が冷えていると判断して間違いありません。 もし、体が冷えているとわかったら、積極的に体を温めていくことが大切です。 なぜなら、体が温まると副交感神経が優位になって血管が拡張し、全身の血流が促され、脳や内臓の働きが活発になるからです。 そうなれば、白血球の働きも活発になって免疫力が高まり、さまざまな病気が回復します。 実際に、鬱病の人は例外なく体が冷えています。軽度の鬱病なら、体を温めるだけでも十分に改善します。