緊張型頭痛の治療

非ステロイド性消炎鎮痛薬などで痛みを緩和する

日常の生活環境に筋肉の緊張を招く原因などがある場合は、心身のリラックス法でまずその改善を図りますが、 そのうえで、痛みが強かったり、起こる頻度が高い場合は、補助的に市販薬を使用します。 生活習慣病の改善や市販薬を使っても、症状が十分に改善しない場合は、は薬物療法を行います。 まずはかかりつけ医を受診しましょう。 ただし、毎日のように緊張型頭痛が起こり、強い精神的ストレスが原因として疑われる場合は、治療法が異なるので、 頭痛外来や神経内科、心療内科など、専門医がいる医療機関を受診してください。
痛みが強いときの薬物療法としては、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)などの飲み薬で対処しますが、1週間に3日以上使わないように注意します。 筋肉の緊張が強い場合は、筋弛緩薬を使います。また、頭痛の頻度が多い、強いストレスがある場合は、脳が痛みに敏感になっており、 症状に応じて中枢神経に作用する抗うつ薬を少量使ったり、一時的に抗不安薬を使うことがあります。


●片頭痛と緊張型頭痛が合併する場合

慢性頭痛には、片頭痛と緊張型頭痛がある合併型も少なくありません。 片頭痛も緊張型頭痛もストレスが原因で起こりやすくなるため、それぞれの頭痛がストレスとなってもう一方の頭痛を誘発することがあります。 また、実際には軽い片頭痛なのに、緊張型頭痛が起こっているように見える場合もあります。 合併型の症状の現れ方には、日によって片頭痛と緊張型頭痛が起こるタイプと、日常的に緊張型頭痛が起こっていて、たまに片頭痛が起こるタイプがあります。 合併型が疑われる場合は、頭痛専門医への受診をお勧めします。合併型で片頭痛の頻度が多い場合は、一般的にまずは片頭痛から対処することが検討されます。
頭痛体操は、片頭痛の予防にも効果があります。ただし、片頭痛があるときに体を動かすと症状が悪化するため、片頭痛が起きていないときに行いましょう。

●市販の頭痛薬

生活習慣の改善や頭痛体操などを行っても、症状が改善しない場合は、補助的に市販薬の頭痛薬を使用します。 時々起こる緊張型頭痛の場合、市販薬を適切に使用すれば効果を発揮することもあります。 頭や首、肩の周りの筋肉を指で押して頭痛が強くなる場合は、薬による痛みの軽減が期待できます。 ただし、自己判断で薬を使いすぎると、薬の使い過ぎによる頭痛を起こす恐れがあるため、頻回の使用は避けましょう。


■受診するタイミング

日常生活に支障を感じたら、迷わず受診する

緊張型頭痛は、片頭痛ほど症状が重くありません。しかし、頭痛の頻度が高かったり、症状が長く続くと、頭痛のことが気になって、 仕事や勉学、家事などが手につかなくなることもあります。日常生活に何らかの支障が出るようなら、迷わずに受診しましょう。

●ほかの頭痛も併発している場合

人によっては、緊張型頭痛でありながら、片頭痛も併せ持つことがあります。 例えば、日によって緊張型頭痛だったり片頭痛だったり、症状が変わることがあります。 また、片頭痛の症状から始まり、次第に緊張型頭痛に変化することもあるなど、経過は人それぞれです。 片頭痛を併発している場合は、症状がより強く、こじらせやすい傾向があります。 まずは、片頭痛から対処していくのが基本になっています。 専門医を受診し、頭痛のタイプを正しく診断したうえで、適切に対処していきます。