■逆流性食道炎の治療

薬で胃酸の分泌を抑える。逆流を防ぐ工夫も大切。

逆流性食道炎を疑って受診した場合は、症状についての詳しい問診を中心に、食道や胃の内視鏡検査などが行なわれます。 また、必要に応じてエックス線検査などで、他の病気の有無を調べることもあります。 治療の中心は、「薬物療法」と「日常生活の注意」です。

●薬の服用を継続する

薬物療法では、胃酸の分泌を抑える「プロトンポンプ阻害薬」「H2ブロッカー」などが使われます。 特に、プロトンポンプ阻害薬は胃酸の分泌を抑える効果が高く、逆流性食道炎の第一選択薬といえます。 薬で胃酸の分泌を抑えることで、胃酸が逆流しにくくなり、食道炎の症状や粘膜の炎症が起こりにくくなります。 食道裂孔ヘルニアがあっても、多くの場合、薬物療法で症状を抑えることができます。 ただし、弁の緩みなどは薬によって改善されるわけではありません。 肥満の解消などによって、服薬の必要がなくなることもありますが、 長期間服用を継続するのが基本です。 なお、プロトンポンプ阻害薬のほかに、粘膜の傷口を胃酸から守る「粘膜保護薬」、 胃酸を中和させる「制酸薬」、食道の動きをよくする「消化管運動機能改善薬」などが併用されることもあります。