【質問】痛みをコントロールする治療の進め方は?

どうなったら、痛み止めの薬を使い始めるのでしょうか?

【答】

がんの痛みの治療は、痛みがあればすぐに始めます。早期から薬を使ったほうが、より作用が穏やかな薬で痛みを抑えられ、 全体として痛み止めの薬の量も少なくて済みます。通常、WHO(世界保健機構)方式に基づき、痛みの強さに応じた3段階の治療が勧められます。 弱い痛みには、まず非オピオイド鎮痛薬を用います。効果が不十分な場合、薬の量を少し多めにすると痛みが抑えられることも少なくないので、 患者さんに合った十分な量を使うことが大切です。ただし、非オピオイド鎮痛薬には容量を増やしていっても効果はある程度以上にならない、 天井効果と呼ばれる限界があります。それ以上に薬を多量に使っても、副作用ばかりが強くなってしまいます。 そのため、非オピオイド鎮痛薬で痛みが抑えられなければ、オピオイド鎮痛薬を使い始めます。 どの段階でも、神経の痛みが強い場合には、鎮痛補助薬の併用も行います。 それぞれの患者さんの痛みに合った薬を使って、段階的に治療目標を達成できるように使っていきます。 段階的な治療目標とは、第1目標は痛みがなく眠れることで、これは早急に達成できるように薬を調整します。 第2目標は安静にしていれば痛くないことで、ここまでは達成することが望まれます。 第3目標は体を動かしてもいたくないことを目指しますが、痛みの原因によっては、これは達成できないこともあります。