カロテノイド

肉や加工食品などが多めの食生活で、野菜の摂取量が不足している方に「カロテノイド」。

■「カロテノイド」とは?

カロテノイドとは、動植物の生体内に存在する赤や黄色の色素 (βカロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン等)の総称です。 有機化合物「テルペノイド」の一種で、テトラテルペンに分類され、炭素と水素のみでできているものは「カロテン類」、 それ以外のものを含むものは「キサントフィル類」といいます。 カロテンやキサントフィルは二重結合を多く含むので抗酸化作用が大きく、緑黄色野菜などの植物では酸素が多く発生する場所に多く存在します。 極性溶媒(水など)に溶けにくく、非極性溶媒(油など)に溶けやすいので、脂肪とともに摂取すると効率的です。 なお、カロテンは動物の体内に吸収されるとビタミンAになります。

カロテノイドは、人間にとって必須栄養素なのですが、人体では生成することができないので、 カロテノイドが豊富に含まれている緑黄色野菜などを食べて毎日の食事から摂取するか、 あるいはサプリメントなどで補給することが必要です。


●カロテノイドの抗酸化作用

カロテノイド」は、多くの抗酸化物質が水溶性であるのに対して、数少ない脂溶性の抗酸化物質です。 生体の細胞膜の成分である不飽和脂肪酸は、きわめて酸化されやすいのですが、 β-カロテンはこの生体膜の脂肪酸のサビ防止に特に効果を発揮します。

●カロテノイドの効果効能

カロテノイドの効果効能としては、紫外線による活性酸素に対して優れた抗酸化作用を持ので、 美肌やシミ予防、目の健康やガン予防などに効果を発揮すると言われています。

●カロテノイドを多く含む食品

カロテノイドは、ニンジン、パセリ、ツルムラサキ、春菊、小松菜、 ニラ、糸三つ葉、ホウレンソウなどの緑黄色野菜に多く含まれています。 ちなみに、「緑黄色野菜」とは、可食部100gあたり0.6mg以上のカロテンを含んでいる野菜を言います。 その他、青ジソの葉、菜の花、大根の葉、アサツキ、 カブの葉、クレソン、チンゲンサイ、サラダ菜、京菜、たらの芽、ワケギ、葉ネギ、カボチャ、 サヤエンドウ、リーキ、芽キャベツ、トマト、グリーンアスパラ、オクラ、セリ菜、ピーマン などがカロテン含有量の多い食品です。


■カロテノイド関連項目

アスタキサンチン
アスタキサンチンは、目の健康、美肌作り、抗ガン作用、抗ストレスなどによいとされるほか、 動脈硬化や糖尿病予防も期待できる「内臓、肌、精神の元気を助ける万能抗酸化栄養素」といわれています。

リコピン
リコピンは、活性酸素の有害作用を弱める働きのある抗酸化物質の一つで、 リコピンの抗酸化能力は、βカロチンの2倍、ビタミンEの100倍といわれています。 リコピンは活性酸素の働きを抑えるため、抗癌作用があるほか、 動脈硬化が原因で起こる高血圧、脳卒中、心臓病などの生活習慣病にも良い作用を及ぼします。

ルテイン
ルテインは、健康に役立つ成分、特に、目の機能強化、白内障や加齢黄斑変性などの眼病予防に役立つ成分として、 近年注目されている強力な抗酸化力を持つカロテノイドの一種です。 眼の水晶体と黄斑部に存在する主要なカロテノイドはルテインとゼアキサンチンであるため、 これらの部位が正常に機能するためにルテインは重要な働きを果たしていますが、 加齢や生活習慣・環境によって体内のルテインは消費されていくので、外部から補う必要があります。