睡眠時無呼吸症候群

大きないびきと共に、一時的に呼吸が止まる『睡眠時無呼吸症候群』は、 睡眠不足や日中の強い眠気のほか、「心筋梗塞」や「脳梗塞」などを招くこともあります。 当てはまる症状があれば、医療機関を受診しましょう。


■睡眠時無呼吸症候群

放っておくと命に関わるが、自分では気付きにくい病気

『睡眠時無呼吸症候群』とは、大きないびきとともに、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。 医学的な定義では、10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が、 1時間当たり5回以上繰り返される状態をいいます。 日本での潜在的な患者数は約200万人以上と推定されていますが、実際に治療している人は、その1割程度です。 睡眠中に起こるため、自分では気付きにくいということが原因と考えられます。 重症化したまま放置していると、命に関わることもあります。心筋梗塞や脳梗塞などを発症して死亡するリスクが、 健康な人の約3倍になるというデータもあるのです。


●無呼吸が引き起こす症状とは?

睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠中に呼吸をしているときは大きないびきをかきますが、無呼吸になるといびきもやみ、 数十秒後に呼吸が再開して、再びいびきをかき始めます。これを一晩に何度も繰り返します。 無呼吸の間は体が低酸素状態になりますが、そのたびに脳が防衛的に目覚め、呼吸が再開されます。 そのため熟睡できず、睡眠不足に陥ります。 睡眠不足が続くと、「日中の耐えられないほどの眠気」や「倦怠感」「起床時の頭痛」「鬱状態」などが現れ、 仕事や勉強がはかどらないなど、日常の作業能率に支障が出ることも少なくありません。 また、日中の強い眠気が居眠り運転を招くこともあり、ある調査によると、交通事故を起こすリスクは約2.6倍にも上昇します。

睡眠時無呼吸症候群が命に関わる病気につながるのは、低酸素状態が続くことで交感神経が活発になり、心臓や血管に大きな負担が かかるためです。先述の心筋梗塞や脳梗塞のほか、 「高血圧」「不整脈」 なども起こりやすくなります。 また、低酸素状態と睡眠不足の影響で体に過度のストレスが加わると、糖の代謝に関わる「インスリン」というホルモンの 働きが悪くなるため、血糖値が上昇して 「糖尿病」を発症したり、 「脂質異常症」を招くこともあります。


●発見のためには?

いびきや日中の強い眠気などがあれば、積極的に受診する

睡眠時無呼吸症候群は発見しにくい病気ですが、「大きないびき」を家族や近くで寝ている人に指摘されて受診した、 という人は多いものです。ただ、一人暮らしの人では、いびきをかいていても自分ではなかなか気付きません。 その場合、「日中の耐えられないほどの眠気」や「全身の倦怠感」「寝ている間の呼吸困難」「夜間頻尿」などがないか 思い返してみてください。こうした症状が現れている場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、 専門的に診察している呼吸器内科や耳鼻咽喉科、睡眠専門外来、精神科などを受診しましょう。

医療機関では、まず問診を行い、症状が確認されます。その後、「簡易モニター」という機器を自宅に持ち帰り、 睡眠中の血中の酸素濃度を測定します。そして、確定診断のためには、一晩入院して「終夜睡眠ポリグラフ検査」 を行います。この検査で睡眠中の脳波や心電図などを測定し、呼吸の状態や睡眠の深さなどを正確に調べ、 重症度を判断したうえで治療方針が決められます。

◆日常生活では次のことに気を付ける

睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、睡眠薬の使用に注意が必要です。薬の作用で気道が塞がりやすくなることがあるため、 服用の際には担当医に相談しましょう。寝酒や喫煙なども気道を塞がりやすくするため、控えてください。 また、肥満は睡眠時無呼吸症候群の大きな要因です。日頃から食事や運動に気を付け、肥満の予防や解消を心がけましょう。

【関連サイト】:『内臓脂肪』