胆石症

胆石症』は、「胆嚢」や「総胆管」などに「胆石」ができる病気で、「胆石」は、胆汁の成分が固まって石のようになったものです。 みぞおちから右の肋骨の下辺りに激しい痛みが起きた場合は、胆石症による痛みの可能性があります。


■「胆石症」とは?

症状がなく、気づいていない人も多い

日本では、「胆石」を持つ人が増加しています。気づいていない人も含めると、約1000万人が胆石を持っている と推定されています。以前は、中高年の女性に多いとされていましたが、最近では男女差はないともいわれています。 胆石を持つ人の増加には、食生活の欧米化や不規則な食事時間など、食事の影響が大きいと考えられています。

「胆嚢」は、肝臓のすぐ下にある長さ7〜10cm、幅3〜4cmの袋状の臓器です。 胆汁は主として脂肪の消化を助ける消化液で、肝臓で作られ、胆嚢に一時的に蓄えられます。 そして、食事をすると、胆嚢が収縮し、胆汁は総胆管を経て十二指腸へと送り出されます。 胆石の多くは、胆嚢の中で濃縮された胆汁の成分が固まってできると考えられています。 例えば、急激なダイエットをしたり、不規則な食生活で食事を抜いたりすると、胆汁が胆嚢に長時間とどまって 過剰に濃縮され、胆石が作られやすくなる可能性があります。


●胆石の種類

胆石は、その成分から見ると、主に次の3つに分類されます。

▼コレステロール結石
胆汁中のコレステロールが固まった結石で、全体の約60%を占めるとされます。
▼黒色結石
主に、胆汁の色素成分である「ビリルビン」が固まってできた結石です。 最近増えており全体の約30%程度を占めるとされます。
▼ビリルビンカルシウム結石
ビリルビンにカルシウムが結合してできた結石です。全体の約10%程度と考えられます。

また、胆石は、胆汁の通り道のさまざまなところに存在し、その場所によって次の3つに分けられます。

▼胆嚢結石
胆嚢の中にある結石で、全体の約90%程度を占めます。大きな結石が1つできることもあれば、 小さなものが複数の場合もあります。
▼総胆管結石
全体の約10%程度が総胆管にあります。多くは、胆嚢から流れ出たものです。
▼肝内結石
まれに、肝臓の中の胆汁の通り道(肝内胆管)にできることがあります。

●胆石症の原因

胆石ができる原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な体質のほか、 脂肪が多い食事、高脂血症、肥満、糖尿病などが複雑に絡み合って発生すると考えられています。 わが国では、1970代から急激に増えてきました。これは、1960年代半ばから急に栄養状態がよくなり、 特に脂肪の摂取量が増えてきたことと関係していると考えられています。 このことからも、胆石は脂肪の摂りすぎが強く影響して発症すると考えられます。
このような「コレステロール系胆石」は、多くの場合、次のような食習慣が原因となってできます。

▼摂取エネルギー過剰
食べ過ぎや脂肪分の多い食事を摂る習慣があると、胆汁に含まれる コレステロール量が増えてしまいます。
▼不規則な食生活
朝食を抜くなど、食事の間隔が長いと、胆汁の成分が濃くなり過ぎて、 コレステロールが結晶化しやすくなります。

◆体質の影響

胆汁は、肝臓でコレステロールなどを材料に作られます。胆汁に溶け込むコレステロールの量を調節する働きは、 人によって異なります。そのため、体質的に多くのコレステロールが胆汁に溶け込む人は、 そうでない人より胆石ができやすい可能性があるといえます。


●胆石症の症状

胆石による典型的な症状が、みぞおちから右の肋骨の下あたりに起こる激しい痛みで、「疝痛発作」と呼ばれます。 疝痛発作は、小さな胆石が、胆嚢の出入り口や総胆管などの狭いところに詰まり、 胆嚢や総胆管の内部の圧力が高まって起こると考えられています。 痛みは食後に起こることが多く、数十分〜2時間程度続きます。 また、痛みが右の背中や肩のほうに放散し、狭心症と間違われることもあります。 胆石が詰まると、胆汁の流れが悪くなり、細菌感染が起こって、「急性胆嚢炎」「急性胆管炎」 が起こることがあります。発熱、黄疸などが現れたり、肝機能が低下します。 また、総胆管の十二指腸への出口に詰まると、胆汁が膵臓に流れ込み「急性膵炎」が起こることもあります。 これらが合併し、重症化した場合は命に関わることもあります。 なお、患者さんの中には、鈍痛を訴える人もいます。また”サイレンとストーン”といって、 痛みを感じない場合もあります。比較的大きい胆石が胆嚢の中にとどまっている場合などは、痛みが起こりにくいようです。


●胆石症の検査

胆石が疑われる場合は、まず血液検査を行って、感染の有無や肝機能などについて調べます。 胆石の有無や形、大きさなどを調べるには画像検査が有効です。 主な画像検査には、次のものがあります。

▼超音波検査
最もよく行われる検査です。胆嚢の中に胆石がある場合は、約90%の確立で診断できます。
▼MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影)
MRI(磁気共鳴画像)検査を応用して、胆管や膵管を描き出す検査で、総胆管結石などの発見に役立ちます。 造影剤を使う必要がなく、患者さんにとって負担の少ない検査法といえます。
▼CT(コンピュータ断層撮影)検査
肝内結石を見つけたり、胆嚢の壁の石灰化(カルシウムの沈着)や胆石の石灰化がわかります。