冬虫夏草

冬虫夏草は、「昆虫などの動物を宿巣とするキノコ」で、 古来より中国では“不老不死の長寿の秘薬”“漢方の横綱”といわれ、漢の始皇帝や楊貴妃も愛用したという記録も残っているほど、古くから愛用されてきました。 現在でも滋養のための最高級食材として珍重されています。 その効力は科学的にも証明され、中国では国宝級の国家指定食品になるほどのパワーを秘めています。 冬虫夏草は、必須アミノ酸をはじめとする各種アミノ酸と亜鉛などミネラルが豊富だといわれています。 アスリートの中でもこの冬虫夏草を使用する方が増えてきており、現代人にタフさとシャープさを呼び戻してくれる、注目の成分です。 その効力は科学的にも証明され、1987年には、中国の医療機関向けの一級漢方薬に認定され、1995年には国宝級の国家指定食品となりました。 また、冬虫夏草が一躍有名になったきっかけは、中国女子陸上チーム(馬軍団)が「世界陸上選手権」はじめ様々な大会の複数の競技で、 世界記録を塗り替えたり、メダルを総ナメにしたりといった、驚異的な活躍をしたことです。


■冬虫夏草とは?

『冬虫夏草(とうちゅうかそう) 』とは、バッカク菌科に属する真菌(キノコ)類であり、 「昆虫などの動物を宿巣とするキノコ」のことです。 中国伝統医学において利用されてきた成分であり、免疫賦活作用や滋養強壮、生活習慣病予防効果があります。 ひとことで冬虫夏草と言っても、実は約400種類もあり、それぞれ宿巣の種類も特徴も異なります。 天然のものはチベット、青海、四川、雲南といった中国の高原地帯にごく少数だけが生息します。 中国では「チベット冬虫夏草(Cordyseps sinensis)」として、古来から、 ”不老不死の長寿の秘薬””漢方の横綱”として言い伝えられ、 現在でも滋養のための最高級食材として珍重されるなど、多くの人々から支持されています。


●期待される効果

免疫賦活作用。滋養強壮作用。コレステロール低下作用。抗糖尿病作用。 抗疲労効果、運動能力向上作用。抗癌作用。生活習慣病予防効果。

●作用メカニズム

有効成分として各種の多糖類が存在します。例えば、多糖類が副腎皮質ホルモンの一種の産生を促すというデータがあります。 これまでに各種の基礎研究が行われており、冬虫夏草が、免疫系や内分泌系、心臓循環器系、神経系、腎臓泌尿器系などに好影響を与えることが示されてきました。 具体的には、冬虫夏草による免疫賦活作用として、NK(ナチュラル・キラー)細胞の活性化、単球やヘルパーTリンパ球の活性化、 インターフェロンやインターロイキン1などの増加などが示されました。 また、抗癌作用として、肺癌細胞や悪性黒色腫細胞に対する効果が報告されました。 さらに、抗糖尿病作用、コレステロール低下作用、肝障害や腎臓障害の改善作用などが報告されてきました。

●科学的根拠

2003年に報告された動物実験では、冬虫夏草の菌糸体熱水抽出物が、総コレステロール値及びLDL(悪玉)コレステロール値を低下(改善)させ、 HDL(善玉)コレステロール値を上昇させました。 抗癌作用に対する基礎研究では、癌細胞を移植した動物に、冬虫夏草を投与したところ、延命効果が認められたといいます。 2002年に富山県国際伝統医学センターから報告された臨床試験では、健常男子10名を対象に、冬虫夏草菌糸体エキス飲料を1週間投与した結果、 運動能力、抗疲労能、循環機能の向上を認めました。 その他、冬虫夏草菌糸体エキスとアントシアニン配合飲料の投与によって、注意力(集中力)や精神活動における俊敏性や柔軟性が高まり、 さらに、その能力が長時間持続したというデータもあります。 日本における症例報告としては、肝硬変に肝癌を合併した43歳男性に、漢方薬(小柴胡湯エキス)と冬虫夏草との併用療法を行ったところ、 食欲、肝機能、黄疸などが著明に改善した例があります。

●摂取方法

有効成分の作用によって、生活習慣病の予防や改善を目的とする場合、短期間では効果が期待できないので、継続して利用します。


●注意事項

中国伝統医学や欧米の代替医療において利用されてきた成分であり、特に問題となる健康被害や副作用は知られていません。 他のサプリメントや医薬品との相互作用なども報告されていません。 ただし、理論上、一部の医薬品との相互作用が推測されるので、何らかの医薬品を服用中の場合には、念のため主治医に相談するようにします。