アディポネクチンを増やす食品『大豆』

体重が減るとアディポネクチンが増える

長寿ホルモン『アディポネクチン』を増やす身近な特効食は『大豆』で、 豆腐なら1日半丁で長寿ホルモンが激増します。


ここでは、長寿ホルモンと呼ばれる『アディポネクチン』の増やし方について、詳しく説明しましょう。
傷ついた血管を修復して血管を若返らせるアディポネクチンは、体の脂肪細胞から分泌されるホルモンです。 こういうと「私は太っていて内臓脂肪がたっぷりあるから、アディポネクチンがたくさん作られる」と思う人もいるかもしれません。 しかし、実は脂肪細胞が分泌するアディポネクチンの量は、内臓脂肪の場合は、その量と半比例の関係にあることがわかっています。 つまり、内臓脂肪が溜まると血液中のアディポネクチンの量が減ってしまうのです。 アディポネクチンを増やすには、内臓に脂肪を溜めこまないことが大切。 つまり、今現在太っている人は、溜まった内臓脂肪を減らしさえすれば、比較的簡単に増やせることがわかっています。 そのためには、まず腹八分食にする、間食を減らす、節酒禁煙に努める、適度な運動を毎日の習慣にする、 などで今の体重を少しでも減らす努力が肝心です。そのうえで、ぜひ実行してほしいのが、 アディポネクチンを増やす食品を積極的に摂ることです。 アディポネクチンそのものは、口から摂っても胃で分解されるので、体内に残りません。 そのため、食品をうまく活用して、私たちの体内でアディポネクチンの分泌を増やすことが重要なのです。 アディポネクチンを増やす働きのある食品や成分は、これまでにいくつも見つかっています。 例えば、緑黄色野菜や海藻に豊富な食物繊維、青魚に多いEPA(エイコサペンタエン酸)には、 アディポネクチンを増やす働きが認められています。


■大豆には血液降下栄養が豊富

こうした日常の食品の中でも、私たちにとって身近でアディポネクチンを増やす働きが大きいと考えられるのが 『大豆』です。大豆の主成分ともいうべき大豆たんぱくには、 β-コングリシニンという優れた成分が含まれています。 このβ-コングリシニンに、アディポネクチンの分泌を促す働きのあることが、日本肥満学会で発表され、 大きな注目を集めているのです。
その報告によれば、メタボリック症候群の人に β-コングリシニンを2〜3ヶ月摂ってもらったところ、アディポネクチンの明らかな増加が認められたといいます。 β-コングリシニンには、腸壁に働きかけ、コレステロールの吸収を抑える作用があります。 そのため、アディポネクチンを減らす内臓脂肪が減少すると考えられます。

京都大学の鬼頭誠名誉教授らの試験では、メタボリック症候群の診断基準に当てはまる95人を、β-コングリシニン5gが入った 干菓子を毎日食べるグループと、同量の牛乳たんぱく質が入った干菓子を食べるグループに分け、 20週目にCTで内臓脂肪の断面積を測定しました。その結果、β-コングリシニンを摂ったグループは平均5%内臓脂肪が減少したのです。 一方、牛乳たんぱく質を摂ったグループは、内臓脂肪が平均4.5%増えてしまったそうです。 また、大豆にはβ-コングリシニンのほかにも、アディポネクチンを増やす働きのある食物繊維や悪玉コレステロールを減らす 働きのあるイソフラボンといった成分が豊富に含まれています。そうした成分との相乗作用で、 大豆を摂ればアディポネクチンが増えるものと考えられます。 大豆食品には、豆腐や納豆・豆乳などがあります。

では、内臓脂肪を減らしてアディポネクチンを増やすために、こうした大豆食品を1日にどのくらい食べればいいのでしょうか。 前述した鬼頭名誉教授の試験では、β-コングリシニンを、1日に5g摂取しました。 この量を大豆食品で補おうと思ったら、豆腐なら2.5丁、豆乳なら1gになります。 ただ、この量を毎日摂るのは無理があります。一応の目安としては、バランスのいい食生活を送って適度な運動を行うと同時に、 豆腐を1日半丁程度に他の大豆食品を組み合わせて、毎日食べることをお勧めします。