肩こり解消・改善

肩の筋肉の血流をよくする

肩こりの解消・改善には、 肩を積極的に動かして肩や首の筋肉をほぐしたり、温めることによって血流をよくして血行を促進させることで、 改善・解消できるとされています。肩こりの多くは、体操によって痛みやこりを軽減できますが、 重症の「五十肩(肩関節周囲炎)」や 「頚椎椎間板ヘルニア」などの病気が起きている場合は、整形外科医の指導に従う必要があります。 また、肩こりの解消・改善において、重度の肩こりは医師の治療が必要ですが、軽度の肩こりならば、 医療用具認可磁気医療治療器(ブレスレット、ネックレス、ハンドマッサージャー)・医薬部外品薬用温浴剤等によって血流を改善することで血行を促進させ、 肩こりを軽減することも有効な手段の一つです。


■肩こりの対処法と治療

多くの肩こりは、生活習慣や姿勢を改善したり、肩こりを改善する体操をすることで症状を軽減できます。 立つときの姿勢で、最も肩こりが起こりやすいのは猫背です。逆に、胸だけを張る姿勢も肩こりが起こりやすくなります。 座っているときに、猫背である顎を突き出したり、背もたれに寄りかかり続けると、肩や首に負担がかかります。 良い姿勢で座っていても、長時間になると肩や首、腰の筋肉に負担をかけるので、1時間に1回は立って伸びをしたり歩いたりしましょう。
主な治療法は、運動療法、体を温めて血行を促進する温熱療法、薬物療法です。 薬物療法では、強い肩こりには筋肉の炎症を抑える非ステロイド性消炎鎮痛薬の飲み薬・貼り薬・塗り薬・筋肉のコリを和らげる筋弛緩薬の飲み薬が使われます。 肩こり以外に次のような症状がある場合は、別の病気が隠れていることがあります。

▼体を動かしたときに息切れをしやすくなった
狭心症や心筋梗塞では、心臓と別の場所にコリや痛みなどを感じることが少なくなく、 肩こりを突然感じて突然消える、胸の締め付けを伴う場合などは要注意です。

▼頭が重く感じる、目の奥に違和感がある
脳動脈瘤の可能性があります。脳の血管にできたこぶが周りの神経を圧迫し、頭痛や目の奥の違和感のほかに、肩こりを生じることがあります。

▼舌に歯形がつく
無意識に上下の歯を継続的に接触させる歯列接触癖があると、噛む筋肉や首の筋肉の疲労とコリが生じることがあります。

▼上瞼が黒目の真ん中辺りまでかぶさる
上瞼を引き上げる筋力が低下し、瞼が下がる眼瞼下垂になると、瞼を無理に開けようとしたり、首を反らすことで肩こりが起こりやすくなります。

肩こり以外の症状がある場合や、生活習慣の改善、体操をしても肩こりが改善しない場合は、整形外科を受診して肩こり以外の症状も医師に伝えてください。 別の病気が疑われるときには、適切な診療科を紹介してもらいましょう。


■肩こり解消法①「温浴」

肩こりの解消法の中でも、最も簡単かつ確実に肩の血流を促す方法として昔から親しまれているのが、 「温浴」です。 特に、40℃前後のぬるま湯に浸かる「半身浴」は、肩こりの解消に極めて有効です。 頑固な肩こりは、どんなに揉んだり叩いたりしても解消できません。 肩は、手で触れられる表層筋(アウターマッスル)と、触れられない深部筋(インナーマッスル)から成っています。 頑固な肩こりの場合、インナーマッスルの血流も悪くなっているため、マッサージだけでは効果が見込めません。 その点、ぬるま湯で半身浴を行なえば、インナーマッスルの中を通る血管を難なく拡張させ、血流を増やすことができます。 この効果はシャワーでは得られません。湯に浸かることで生じる水圧によって、 下半身にたまった血液が上半身に押し上げられるのです。 一説には半身浴を行なうだけで、肩周辺の血流は10~20%も増えるといわれています。 マッサージやストレッチは、この肩の血流が増えた状態で行なわないと、なかなか効果が現れません。 つまり、半身浴はそれ自体が肩こりの解消に役立つだけでなく、マッサージやストレッチの効果を高める方法としても非常に優れているのです。

こうした半身浴の効果をさらに高める方法があります。 それが「ヒマラヤ岩塩浴」です。 ヒマラヤ岩塩はヒマラヤ山脈のチベット高原やその周辺地域で採掘される大変貴重な天然岩塩のことで、 ヒマラヤ岩塩浴とは、市販の入浴剤と同じように細かく砕いたヒマラヤ岩塩をお風呂に入れ、 その湯で半身浴を行なう入浴法です。自宅のお風呂で手軽に温泉気分が味わえ、短時間で体の芯から手足の先までポッカポカに温まるとして、今人気を集めています。


■肩こり解消法②「磁気チップ」

血行には「生体電流」という、私たちの体の中を流れる微弱電流も関係しています。 これが乱れたり、滞ったりすると血行不良が起こるのです。実際に、炎症を起こしていたり、 肩こり・腰痛・膝痛が起こっていたりする患部を調べると、生体電流が滞って皮膚に分布する抹消血管の流れが大きく阻害されていることがわかります。 肩こりの改善・解消には、そうした生体電流の流れを正常にして血行を改善することが有効な手段の一つになります。 生体電流の乱れや滞りを改善する一つの方法として、「磁気チップ」が注目されています。 磁気チップをこりの激しい場所や肩こり解消のツボに貼ると、生体電流の乱れが整えられ、肩こりの元凶となっている疲労物質が取り除かれるといわれています。


■肩こりの治療法

肩こりは、主に筋肉の硬直が原因となるケースと、背骨などの異常が神経を圧迫して起こるケースの2つに分けられます。 筋肉の硬直が原因となる肩こりは、姿勢を正したり、マッサージや運動をしたりすれば改善できますが、 骨の異常が原因の首こり・肩こりは、骨の老化による変形のほか、交通事故や手術の後遺症などでも起こります。 そのため、自宅でできるような治療法では、なかなか回復は望めません。 こうしたことから、重い首こりや肩こりは、できるだけ早く病医院を受診して、医師の指導の元で治療した方がいいでしょう。

【関連項目】:『首こり・肩こりの治療法「低出力レーザー治療」』